健康で楽しい人生を過ごすヒントを共有するブログ

「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」を実践する

f:id:Kanazawadoctor:20180505211824j:plain

 

巷で話題になっている2018年4月13日発売の津川友介医師著「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」を読みました。

 

世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事

世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事

 

 

 

これまでの食事に関するエビデンスがわかりやすくまとめてあり、思考の整理に役立ちました。内容に斬新な点はありませんが、人間が昔からとってきた食事に関して一発逆転できるようなうまい話はないということで、誠実であるとすると必然的にこのような話になるのでしょう。

納得のいく内容でしたので、読んで終わりにするのではなく普段どのように実生活で気をつけたら良いかを自分用にまとめることにしました。というわけで下記はこの本のサマリーではなく実生活に取り入れるために加工された情報です。詳細は本書を購入してご確認ください。

 

普段気をつけること

本書の良いところのひとつは、それぞれどのような観点で健康に良いとしているかを明示してあることです。つまり、ひとはみな「身体にいいもの」を食べたい、と思って色々検索したり買ったりしているわけですが、「身体にいいもの」とはなんであるか考えたことがある人は少ないと思います。

みんなが食べたい「身体にいいもの」を整理すると以下の3つになります。

  1. 食べると体調がよく感じるもの
  2. 将来の死亡率、QOLが高くなると期待されるもの
  3. 体重が減る(増えない)もの

この点をおさえておかないと、2.を希望している人が延々とビタミンなどのサプリを購入してお金を払っても、サプリに期待できるのは1.だけでしょうから、期待と効果が見合っていない投資をしていることになります。自分がどの点について投資を行っているのか意識したほうがいいです。

本書は2.をカバーしている本なのですが、幸いなことに、2.と3.の食事はほぼ重なるようです。2.、3.を実践して体調がすっきりしない方がその後、1.の道に踏み入れるのがいいかもしれません。

具体的には、下記のような「健康に良い食品」を取り入れて「健康に悪い食品」を減らすようにします。それぞれどのような利点、欠点があるかを抜粋しました。

我が家では、食材の購入をする際に次回から下記の点に気をつけてみます、どのような食卓になるのでしょうか。また記事にするかもしれません。

健康に良い食品

死亡リスク12%↓(1日60gまで効果的)、心筋梗塞↓(1日85-170g)、がんリスク↓(乳がん、大腸がん、肺がん)

  • 野菜・果物(じゃがいも以外)

死亡率↓(各400g単位まで効果的)、心筋梗塞脳卒中↓、糖尿病↓、がんの予防効果なし

  • 茶色い炭水化物(玄米、そば、全粒粉)

 心筋梗塞脳卒中↓、糖尿病↓、がんの予防効果なし

  • オリーブオイル
  • ナッツ類

(地中海食として)脳卒中心筋梗塞のリスク↓、がん(特に大腸がん)↓、糖尿病↓

健康に悪い食品
  • 赤い肉(牛肉、豚肉、加工肉、鶏肉はよい)

全死亡率↑、脳卒中心筋梗塞↑、がんリスク↑(大腸がん)

  • 白い炭水化物

糖尿病↑

死亡率や疾患リスクを上げるという明確なエビデンスなし。総合的にみて保留が望ましい(著者)

  • 乳製品

    1日1-2単位が上限。牛乳だとコップ1-2杯、ヨーグルトだと170-450g

    とりすぎは前立腺がん、卵巣がん

1週間に6個未満。心不全↑、糖尿病↑

 

 余談

食事については、学生時代に一人暮らしを行った6年間、ろくなものを食べていなかった自信があります。慢性的に身体が怠く、やる気もなかなかわいてこなかったのは自覚していました。今思い返せば睡眠時間の不足とバランスの良い食事が出来ていなかったことがはっきりとした原因ですが、当時は勉強、部活、バイトと時間もお金もなかったので負のサイクルを脱する余裕がありませんでした。

大学を卒業し、研修医になっても時間もお金も対して変わらなかったですが、プロとして働くからにはパフォーマンスが低くてはいけないだろうと思ってそのサイクルをまずは食生活の改善から行おう、と発起しました。

 

ところが、健康的な食事について考えてみるとほとんど何も知らない自分に気が付きました。日本では一般的に栄養・食事に関して相談にのるのは医師や栄養士と考えられていると思いますが、実は医師にはほとんど食事についてエビデンスに基づいてアドバイスが出来るようなひとはいません。(私の知る範囲では)日本の医学部は病気の方々の病態・診断に教育の重点を置いていますが、病気でない方々がどうしたらより元気で健康な状態を維持出来るかについてはほとんど触れていないのです。

 

仕方がなく、書店やWEBで検索してみるも、どうも胡散臭い情報しか出てこず、とても実践してみる気にはならないものばかりでした。医師がすすめる、どうとかという本も、「シリコンバレー式」何とかという本も、結局は経験に基づく話であったり、マウスや試験管内で起こっている話を、妄想で人間にも当てはめて「だから健康的」といっているに過ぎないものばかりでした。そしてこれらはエビデンスという観点からいうと信頼性の低いものです。

 

結局は、厚生労働省のHP(「食事バランスガイド」について|厚生労働省

)を参照するのが一番良さそうだ、ということに落ち着きましたが、色々サプリメントを買ったり本を買ったり、金銭的にも時間的にも回り道をしました。また本書によると色んな業界が各省庁にロビイングしているためそれすらも歪められた情報である可能性があるとのことでした。

食事に関して知識を得たい方はまずこの本を買ってみると無駄な努力をしないで済むと思います。コラムに著者がおすすめする信頼できる情報源へのアクセス方法が書いてありましたので今後自分でも情報をとりにいけるようになると思います。